私に「がんばりすぎない勇気」を与えてくれた名言たちです。
有名な言葉ばかりですが、忘れがちな言葉でもあります。
善悪に他をねたむ心なし
宮本武蔵『独行道』に書かれている言葉です。
人をねたむことにいいも悪いもなく、ただ悪いことだ、ということです。
仕事や恋愛など、生活の中で人に嫉妬することは多々ありますよね。でも人を妬む気持ちは、心を荒ませ、貧しくしていくだけ。嫉妬は人の心を退化させますよ。嫉妬が始まったら、この言葉を思い出しました。
我事において後悔をせず
宮本武蔵『独行道』に書かれている言葉です。
人生は後悔することばかりです。でも、そのことでくよくよして前へ進めないようでは、将来の道を閉ざすことにつながります。
後悔するようなことが発生したら、その経験から今後どうやって生きていくべきかの糧を見つけましょう。それができたら、「いい経験ができたな」と思って、後悔することは止めましょう。
過ぎたるは猶(なお)及ばざるが如し
孔子の『論語』に書かれている有名な言葉です。
何事も中庸が大切であり、度がすぎてしまうことは不足していることと同じ、ということです。
仕事でも趣味でも、のめり込みすぎるのは危険です。自分のキャパシティをよく見極めながら生きていかなきゃ、って思います。
走ぐるを上と為す(にぐるをじょうとなす)
『兵法三十六計』に書かれている言葉です。
戦いに勝ち目がないと判断した場合は、逃げるが勝ち、ということです。
これは戦いの最後の一手なので、慎重な判断が必要ですし、非常に勇気のいる行動です。
しかし、勝ち目のない戦いを続けて身の破滅を導くぐらいであれば、いったん逃げて再起を計ることは全く恥ずかしいことではありません。
欠点というのは、“キミはそれをやらなくていいんだよ”と言われていることのような気がする
齊藤正明さんの『欠点を直さずに幸せに生きる方法』に出てくる一節です。
欠点をうまく利用すれば、短所は長所にできる、ということです。「短所は長所の裏返し」です。
「欠点」は直さなくていい。これこそ究極の「がんばりすぎない勇気」ですね。
ちなみに私もサラリーマンの時は、仕事では断れない性格だったのが欠点でしたが、今ではすっかり克服してしまいました。
自分の感情をくすぐるか、それとも、なんか倦怠感を感じるか、で仕事をお受けするか否かを決めています。
「自分がやらなければならない」という発想を持ったら、多分「倦怠感」を持ってしまいます。
「このお客様と一緒に仕事がしたい!」「このお客様のためにお役に立ちたい!」と思った方と、独立後たくさん出会い、お役に立たせて頂いています。
止まり木に羽を休めて明日を待つ
2009年10月31日当時、ある政治家の発言として書き留めていました。
私はサラリーマンの頃、「生きながらにして死ぬ」ような心情を持った時期がありました。
私の場合は、病気でダウンしたおかげで助かりました。
まさに「災い転じて福となす」「ピンチはチャンス」です。
最近は結構ハードな日々をすごしていますが、夢や目標を明確に持ち、特に「期限」を決めて突っ走ると大丈夫なようです。
小さな会社の正しい戦略は、戦わないこと。幸福を追求しながら生き残っていくためには、戦ってはいけない。ビジネスは不戦勝でいいんだ。
これは、『戦わない経営』という本の一節で、最も印象に残った文章です。
企業を経営していて、「戦わないでいい」なんて言うと、何か手抜きのように思えるかもしれませんが、「戦わずして勝つ」方法を見つけ、伸ばしていくことに、精一杯努力する。手を尽くす。
自分にしか出来ないこと。自社にしか存在しないこと。
そんな強みを見つけて精一杯伸ばすことによって、「不戦勝」は近づくと思います。
そして、今回私が考えたのは、「戦わない勇気」は仕事・会社だけでなく、自分自身の生き方においても必要だということです。
問題が発生するたびに戦う、すなわち怒ったり、叱ったり、言い争ったりしていると、すごく体力を使います。疲れます。
一喜一憂程度は仕方のないことですが、その体力があったら、まずは、自分を変えることに体力を使うことです。
「人を変えようとするのではなく、自分が変わることで解決する方法はないだろうか。」
会社にも人間にも、「戦わない勇気」が求められているように感じます。
リーダーは時に鈍感であることも必要なんだ。諺にもある。批判に耐える気力がなければ、何事にも手を出すな。
2000年まで放送されていた『ビバリーヒルズ青春白書(シーズン5)』の中で、こんなセリフがありました。
自分にとって、様々な新しいことに取り組んできたこともあり、分からないことも初めてのことも多くて、批判を受けたりもしながら、学びに変えてきました。
でも、このセリフを聞いて「自分は間違ってなかったんだな」と思わせてくれました。
これからも謙虚さを忘れずに、新しいことに積極的に取り組んでいくつもりです。
結果より過程(プロセス)が大事
成果主義がすべてではない。
「がんばりすぎない勇気」を身に付けるために欠かせない“生きる知恵”です。
結果主義、成果主義に突き進む現代の世の中にあって、私は反対の道を進んでいます。
経営の最終結果である「売上」「利益」の目標設定を廃止しました。
その代わりに、「プロセスの目標」をKPI(Key Performance Indicator)に設定します。
・メルマガを○○回発送する。
・○○人と名刺交換する。
など、このプロセスが充実していくと、最終結果にいずれ近づいていける目標値をKPIに据えます。
結果を否定するつもりは毛頭ありません。
結果を求めれば求めるほど、先にプロセスが大切だということを日々実感しています。
プロセスを大切にするからこそ、「長期的な結果」を得られると思ってます。
「やれることはすべてやった。後は野となれ山となれ。」ですね。
私が完璧主義から脱出したヒントです。