私がサラリーマンを卒業して岡山に帰ってきたのが2006年、独立創業したのが2008年で、もう独立してから12年が経ちました。
岡山に帰ってくるのを温かく迎えてくれた母は3年前に亡くなり、そして同じく、温かく迎えてくれた祖父もちょうど50日前に亡くなりました。無事に50日祭を終えました。
私が岡山に帰って独立してからのことを振り返るのにちょうど良い時期と思っています。私が中小企業診断士として起業して以降、起業家として成功するために取り組んできたこと、大切にしてきた名言をまとめました。
すべては夢を持つことから始まる
これはソフトバンクの孫正義さんの名言です。
私は独立前に、何もかも投げ出したくなるような時期がありましたが、私が起業後にが多くのことで思い通りに事が運んだのは、独立前に持っていなかった「夢」を持っていたからだと思っています。 孫さんも多くの苦労を経験した中から、このような言葉を考え出すに至ったはずです。
成功している人が気をつけていることは、“ネガティブ(否定的)な言葉から離れていること”
2009年9月に開催された水河昭彦さんのセミナーで聞いたお話です。
イチローが大記録を打ち出した際に、インタビューでこんな話をしていたそうです。
「チームが低迷していたので、なるべく早くロッカールームから出るようにしていた。」
人の悪口や愚痴などは、人間の心を暗くしてしまいます。 気分のいいものではありません。人の悪口、愚痴、政府や政治家への批判などから“なるべく”離れていることが大事です。
私は最近「多忙」とか「忙しい」という言葉を最近繰り返していますが、これも良くないと思ってます。
「忙しい」という思いが、自分を忙しくしてるだけかもしれません。
否定や批判をやめて、ポジティブな発言を使うことが成功への道筋です。
目標設定すること
私は毎年年初に、1年間の目標設定をしています。 かなり子供の頃に、年初の目標設定をしていた記憶がありますが、サラリーマンを卒業した頃からまた再開しました。
サラリーマン卒業直後に、渡辺美樹著『夢に日付を! 【新版】 夢をかなえる手帳術』という本に出会い、その時に数年~数十年にわたる長期目標を立て、それとの整合性も見ながら、毎年の目標を立てています。 (もちろん、長期目標は少しずつ変化していきます。)
最近では年始に、曼荼羅チャートで毎年9つの目標を設定するようにしています。
また、同じく曼荼羅チャートで9つの五カ年目標も立てています(長期目標ですので、変化するときもあればしない時もあります)。
ここでたてた目標は、常に持ち歩いていますので、私の原動力になっています。
ちなみに、毎年、何個かの目標は達成できず仕舞いです。 目標を達成できないと、憂鬱な気持ちになってしまう方もいるかもしれません。 ただ、私は目標達成できなくても、実はあまり落ち込みません。 私にとって重要なのは「結果よりもプロセス」なんです。 目標を立てて、それを実践して、なんでできなかったのか、なぜうまくいったのか、反省なり振り返りなどして、次に生かせればいいからです。
気働き
起業家が素敵なクライアントと出会っていくために必要なノウハウです。
『気働き』(きばたらき)
意味:その場に応じて、よく気が利くこと。機転。
「気働きの利く人なら、技術なんてなくても十分に仕事できますね」と言われたことがあります。
もちろん、技術は必要なのですが、気働きさえあれば、技術は後から付いていける、という意味です。
気働きで、社員間、上下間、そして顧客との信頼関係を高めることができる。
会社、個人の業績を上げるキーワードだと信じています。
「気が利く」「行動が早い」「小回りが利く」「素直」など、「気働き」とつながります。こんなキーワードをお客様からいただけるよう、日々がんばっています。
人生、常に勉強
経営コンサルタントとして仕事をしていると、あらゆる業種の仕事が舞い込んできます。 昨年までは、各種製造業がメインでしたが、今年に入ってから、サービス業や建設業も増えてきました。 ただ、コーチングのノウハウを得てからは、どの業種でも怖がらずにお手伝いできるようになりました。
「常に勉強」する素直さ、努力が大事かなと思っています。
これはコンサルタント・コーチでなくても、どんな業種の仕事でも、プライベートでも、共通の哲学です。
過去の成功体験に凝り固まることなく、といっても、軸はぶれないようにしつつ過去を捨てて、常に勉強して新しいことを取り入れていくことが起業では求められます。
福沢諭吉『学問のすすめ』
福沢諭吉の『学問のすすめ』にこんな一節があります。
人は生まれながらにして貴賎貧富の別なし。
ただ学問を勤めて物事をよく知るものは貴人となり富人となり、
無学なる者は貧人となり下人となるなり。
自分がインプットを怠けてるな、と思った時には戒めとしたい言葉です。
勉強を始めるきっかけとしては、読書が安価で手っ取り早いです。
先人が得た知識をあっという間に手に入れられるからです。
ただ、本格的に学ぼうと思えば、座学セミナー・ワークショップ、コロナ禍においてはオンラインセミナー・オンライン講座など、「相手が存在する学びの場」が欠かせない、というのが私の実感です。高額な投資になることもありますが、ちゃんとしたセミナーであれば、かつ学ぶ意思があれば、きっと元がとれると思います。
私も起業してから、少なくとも500万円〜1000万円以上は座学セミナー・ワークショップなど、「直接人に教えてもらう学びの場」に投資してきました。今の業績があるのは、このおかげであることは間違いありません。
メンターを大切にする
メンターとは、優れた指導者。助言者。恩師。顧問。信頼のおける相談相手のことです (『デジタル大辞泉』より)。
私は独立後、2017年までずっと社員を雇わず1人で会社をやってきましたが、たくさんの尊敬すべきメンターが目の前に現れました。
もちろん、サラリーマンの時にもメンターには恵まれていたと思います。
「あの人が上司・先輩がいなかったら、今の自分は存在してない。」
そう思える方が、何人もいらっしゃいます。後輩にもいます。
独立してからも、それが続いているようです。
岡山で独立してからもすばらしいメンターと出会うことができています。
私の言動にはっきりと物申してくださる方、とてもお上品・ご丁寧に批判してくださる方、いろいろな方がいらっしゃいます。
厳しい批判もありますが、オブラートに包んで丁寧に言っていただいたりすると、頭が下がります。
「そういう言い方すれば傷つけずに伝えられるのか、、、」など。
感動です。
この流れ、謙虚に生きていけば、きっと一生続くと信じています。
2014年の私の結婚式の時には、この尊敬すべきメンターの方々を可能な限りご招待しました。
もう6年前にはなりますが、あの感動は忘れられません。一生忘れません。
休むも仕事のうち
コーチングを受けて、初めて気づいたのですが、 私の潜在意識の中に、「休み=怠けている」というイメージがあったようです。
ただ、 本来は、「休み=良い仕事をするための準備期間」が正しいと思います。
適度な休みはとても重要です。
仕事は楽しいですが、仕事に追われると、それがプレッシャーになり、精神的に負担になります。睡眠時間が短くなると体力的にも負担になります。
家庭と仕事の両立もそんなに簡単ではありません。体は資本。「休むも仕事のうち」です。
言い訳よ、さようなら
「できない理由」はいくらでも並べられます。
特に、起業は大部分が失敗しますので、いくらでも「できない理由」が見つかります。
「できる理由」よりも「できない理由」のほうが簡単に並べられてしまうのです。
このコロナ禍で、たくさんの変革が行われました。これからも変革が続いていきます。もうビフォアコロナには戻れません。
「自分が~すれば、実現できる!」 「~を~に変えれば、達成できる!」 「~さんとコラボ(協働)すれば、きっと成功する!」
起業では、「どうやったら○○できるのか」を必死で考えていくことが求められます。
汝求めよ。さらば与えられん。
聖書の言葉だったと思いきや、実は間違っていたようです。
「引き寄せの法則」として語られている言葉でした。
聖書の言葉は、
『汝求めよ。さらば与えられん。尋ねよ、さらば見出さん。門を叩け、さらば開かれん。』
どちらも大切な成功哲学です。ビジネスでも必須のスキルですね。
とってもシンプルです。
コーチングを受けて、私の欠点として「人に頼らない」という欠点が見つかりました。
「人に頼ること」=「敗北宣言」「自分の至らなさを認めること」みたいに考える癖があるようです。
今では、社員も採用して、とても助けていただいています。
頼れる存在がいることは本当に素晴らしいことですし、「人に頼ろう」と思えるようになった自分の成長をほめてあげたいです。
ネバー・ネバー・ネバー・ネバー・ギブアップ
この名言を知ったのは、2012年1月です。
当時の野田佳彦首相が、政局で行き詰まったときに語っていました。
『Never, never, never, never give up.(絶対に絶対に絶対に絶対にあきらめるな)』
イギリスの首相だったチャーチルの言葉です。
経営者は孤独です。起業家も同じ。(首相もでしょう。)
私は、この名言を知った2012年1月は、仕事でもプライベートでも、とても追い込まれている時期でした。
救急車で運ばれたり、仕事が急激に無くなったりもした時期でした。
この言葉を胸に、勇気を出してがんばって、何とか人生の難局を乗り越えました。
信用をなくせば大きなものを失う。しかし勇気をなくせばすべてを失う。
セルバンテスの『ドン・キホーテ』に書かれている言葉です。
「信用が第一」と思っていた私にとっては、目から鱗の言葉です。
勇気の方が大事だったのですね。
確かに、営業活動でも、改革でも、勇気を出してやってみる、言ってみる、がなくなれば、すべてを失います。
「だめな理由」「できない理由」はいくらでも並べることができます。
「勇気」は、「恥を捨てる」「失敗を恐れない」につながると思います。
起業での成功を目指すためには、市場の状況に合わせて、勇気を出して変わる必要があります。
かけた情は水に流せ、受けた恩は石に刻め
岡山商工会議所青年部の吉田大助会長が2015年度9月理事会でお話された素敵な格言を紹介してくださいました。(※本人に掲載の許可を得て掲載しております。)
ネットで調べると、長野県上田市にある真言宗智山派の前山寺(ぜんさんじ)の石碑に刻まれているようです。
情をかけて見返りを期待することを止め、受けた恩には精一杯の感謝と恩返しをする。
とても大事な戒めです。この格言を聞いて、石に刻み損ねた恩をたくさん思い出しました。
吉田会長からこの格言を聞いてから、私は「見返りを求めて情をかける」ことをやめられるようになりました。
「情をかける」際は、見返りを求めない。
「○○さんにはあそこまでしてあげたのに…」といった考えは一切持たなくなりました。
逆に、「受けた恩」は何とか恩返しできるようにがんばります。
相手が期待していなくても、私のなかでは忘れずに恩返しをどこかでしようと思っています。
打たれて、打たれて、強くなる!
独立して今まで、傷つくことは何度も経験してきましたが、何度経験してもやっぱり辛いです。
でも、人間、強くなろうと思ったら、「打たれる」ことは避けては通れないことだと思います。
・打たれて、打たれて、人間は強くなっていく。
・打たれないと、人間は打たれ強くならない。
・打たれてない人間は弱い。打たれ強さを身につけることが必要。
まだまだ私は修行の真っ只中です。これからも「打たれる」ことを恐れずに活動していきます。そして、
・本当に苦しいときに、気づきは起こる。
・大きな喜びを得ようと思うと、大きな苦労が伴う。
大きな喜びを得るためのプロセスだと思って、がんばっています。
壁にぶつかったときにそれをじっと我慢して乗り越えたときに発明、創意工夫がある
本田宗一郎著『俺の考え』にあった一文です。
発明、創意工夫なんてものはぎりぎりの線までいかないと出てこない。それと同じだ。
壁に突き当たる。そこでみんな戻ってきちゃう。そうすると発明、創意工夫はない。
壁にぶつかったときにそれをじっと我慢して乗り越えたときに発明、創意工夫がある。
起業は「壁だらけ」です。お金のこと、人のこと、設備投資のこと、仕入のこと、、、
サラリーマンであれば、壁を乗り越えられなくても給料が入ってくるかもしれません。
起業家は、この壁を乗り越えられないと、収入がありません。
壁を乗り越える勇気、、、できれば、壁を怖がるよりも、壁を乗り越えることを「楽しむ」気持ちが必要と思います。
努力は運を支配する
私が起業したばかりの2008年4月に知った名言です。
この名言は、ラグビー日本代表監督だった宿澤広朗さんに由来しています。
正直なところ、「無駄な努力」というものもあるかと思っています。
ただ、何の行動もしないで、果実だけ得ることは不可能です。「無駄な努力」もあるかもしれませんが、その中に一粒の「有効な努力」があるかもしれません。その一粒が大きく成長していくこともあります。私もそんな経験を今まで何度かしてきました。「あれは無駄な努力ではなかったんだ」とは、後から分かることです。
将来訪れるチャンスを掴むために、地道な努力が必要です。
偶然は必然
2009年7月、コーチングのセミナーで行っていた京都から岡山への帰りの新幹線で、驚きのことが起こりました。
新幹線の中で、大阪のIBMで働いていたときの上司にばったり会ったのです。
京都-新大阪間の新幹線は、私が乗った時間帯は数分に1本のペースで新幹線が走っていました。
そんな中で、私の斜め前の座席に先輩が座っていようとは。。。
その先輩と3年前にお別れしたときは、私はかなりの体調不良でしたので、健康になって新たな仕事に励んでいることを報告できたことに喜びを感じました。
それにしても、こんな偶然が起こるものなのですね。
今からすると、これも「努力の結晶」だったのだろうと思います。
私は常日頃「偶然は必然」と言っていますが、わざわざ努力して京都に通っていなければ、この偶然は起きなかった出来事です。努力が運を支配し、それが偶然を引き起こす経験は、皆さんも経験済みなのではないでしょうか。
己が己がの我をすてて おかげおかげのげで暮らせ
岡山県の出身である、法然上人の御教えです。
今現在、私はビジネスの面で、いくつかの困難はあるものの、予想以上に好調に物事が進んでいるように感じています。
しかしこの好調さは、当然のことながら、中小企業診断士の先輩、職場の方々、そして先達、友人、家族といった、周りの方々のご協力があったからこそです。
そんな気持ちをいつまでも忘れずにいたいです。
特に、自分のために仕事をしてくれている部下、自社のために仕事をしてくださっている業者・取引先の方、自分を助けてくれている家族、、、この日常は当たり前ではないのです。皆さんのおかげで生きられていることに日々感謝です。
実るほど頭を垂れる稲穂かな
成功したり、出世すればするほど、より謙虚にならなければならない、という意味です。
法然上人の御教えと同じく、分かっていてもなかなかできないことですよね。
私は、まだ全然出世していませんが、出世していようと、していまいと、関係ありません。感謝の気持ちを相手に伝えることが大事です。
「独立創業時の、熱く燃えたぎるような、そして祈るような、成功への執念」を思い出すこと
『打つ手は無限 ~変貌する社長業』に出てきた一節です。
「どちらを選ぼうとも、これだけは失ってはいけない。独立創業時の、熱く燃えたぎるような、そして祈るような、成功への執念である。」
私も「熱く燃えたぎるような」執念をもって独立創業を果たしました。
私の夢は「岡山の地域活性化へ貢献すること」です。今も昔も変わりがありません。
この夢を絶対に実現したい!そんな執念を持って、私は仕事に取り組んできました。
これからも苦難はあると思いますが、この初心を忘れずに、「熱く燃えたぎる執念」でこれからも毎日を大切に生きていきます。